自己破産の同時廃止事件とは?流れを解説
自己破産の同時廃止事件は、一定の条件を満たす場合に破産手続きの開始と同時にその手続きを終了させる手法です。
費用が比較的安く解決までの期間も短いため、多くの個人破産においてこの手法の適用が目指されます。
今回は、同時廃止事件のメリットや条件、および手続きの流れについて解説します。
同時廃止事件とは?
借金の返済が困難になった際に裁判所を通じて支払い義務を免除してもらう自己破産には、大きく分けて2つの形式があります。
ひとつは、破産管財人が選任されて財産の調査や配当を行う管財事件です。
そしてもうひとつが、同時廃止事件です。
同時廃止事件とは、破産を申し立てた人に債権者へ配当できるほどの財産がないことが明らかな場合に、破産手続開始の決定と同時に破産手続きを終了させる決定を下す制度を指します。
同時廃止事件のメリット
同時廃止事件として受理されるメリットは、費用の安さと手続きの迅速性にあります。
管財事件は管財人との面談や債権者集会の開催などが必要ですが、同時廃止事件ではそれらが省略されるため、かかるコストと時間も抑えられます。
同時廃止事件が選択される条件
裁判所が同時廃止事件として扱うかどうかは、提出された申立書や証拠に基づいて判断されます。
主に、以下の3つの条件をすべて満たしていることが求められます。
処分すべき財産を所有していないこと
同時廃止事件が選択される基準として、本人が所有している資産の総額があります。
目安として、資産の個別の価値が20万円を超えないことが基準となるケースが多いです。
免責不許可事由に該当する疑いがないこと
借金の原因がギャンブルや浪費などである場合、免責の可否を調査する必要があります。
誠実に家計をやり繰りしていた過程があると認められることが、同時廃止を選択するための前提条件となります。
事実関係の調査が必要ないこと
債務者が事業主であった場合、仕事上の債権債務関係が複雑であるため、原則として管財事件として扱われます。
一方で、一般的な給与所得者で、借入先が消費者金融やカードローンに限定されている場合には同時廃止が認められやすくなります。
同時廃止事件の手続きの流れ
同時廃止事件が進められる流れは、以下の通りです。
財産の調査
同時廃止事件の適用を目指すのなら、まず財産状況を証明する書類などを収集します。
さらに、借金が増えた理由を記す陳述書を作成し、裁判所に提出する準備を整えます。
裁判所への破産申立て
用意した書類を管轄の地方裁判所に提出します。
この際、同時廃止を希望する旨の上申書を添付することが一般的です。
破産審尋
破産審尋では、裁判官と面談し、借金の原因や現在の生活状況について質問を受けます。
多くの裁判所では、弁護士が代理人となっていれば書類審査のみで済む即日面接という運用が行われており、本人が直接裁判所へ行かずに済むこともあります。
同時廃止
裁判所が要件を満たしていると判断すれば、破産手続き開始の決定と同時に手続き廃止の決定を下します。
この際に、官報に氏名や住所が掲載されることになります。
免責意見申述期間と免責審尋
破産手続きが廃止された後は、支払い義務免責のための審査に入ります。
債権者に対して、免責することへの異議がないかを確認する期間が約2ヶ月間設けられます。
その後、裁判官が最終的な確認を行う免責審尋が行われます。
免責許可決定の確定
裁判所によって免責を許可された約1ヶ月後に決定が確定し、法的にすべての借金の支払い義務が消滅します。
これによって、非免責債権を除いた借金を返済する必要がなくなります。
同時廃止事件における注意点
同時廃止を希望する際に、留意すべき点がいくつかあります。
具体的には、次の点に注意してください。
管財事件へ移行する可能性
申し立て時点では同時廃止を予定していても、裁判所の審査の過程で過失が見つかった場合には、強制的に管財事件へと切り替えられることがあります。
この場合、追加で多額の予納金を納めなければならず、資金が用意できなければ手続きが棄却されるリスクがあることに注意してください。
住所移転の制限
破産手続きの開始から免責の確定までの数ヶ月間は、長期の旅行や引越しをする際に、事前に裁判所の許可を得る必要があります。
同時廃止の場合は比較的柔軟に認められますが、無断で行うと不誠実とみなされ、免責に悪影響を及ぼす恐れがあります。
まとめ
今回は、同時廃止事件の内容や適用のための条件、手続きの流れ、注意点について解説しました。
同時廃止事件は、債務者が生活を再建するための国が認めた救済システムです。
しかし、その適用を受けるためには、自身の財産状況を正しく把握し、免責不許可事由がないことを説明することが求められます。
自己破産を検討されているのであれば、早めに弁護士に相談し、自身のケースが同時廃止に該当するかの分析を依頼することをおすすめします。
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司法書士紹介
代表司法書士舟木 浩Funaki Hiroshi
東京司法書士会所属
簡裁訴訟代理等関係業務認定第812079号
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- 大阪府出身
- 平成20年10月司法書士試験合格
- 平成21年3月司法書士登録
- 平成21年9月認定司法書士登録
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