司法書士事務所ユナイテッドフロント > 自己破産 > 自己破産の免責不許可事由にあたっても自己破産は認めてもらえる?

自己破産の免責不許可事由にあたっても自己破産は認めてもらえる?

自己破産の手続きでは、申立てが受理されても、借金の支払義務を免除する免責が認められるかどうかが大きな争点となります。

過去にギャンブルや浪費で多額の借金を抱え、免責が認められないのではと不安を感じている方は少なくありません。

しかし、免責不許可事由に該当する事情があっても、裁判所の裁量によって免責が認められる場合があります。

この記事では、免責不許可事由の内容と、裁量免責の仕組みを解説します。

免責不許可事由とは

免責とは、自己破産の手続で裁判所が認めることにより、債務の支払義務を法律上免除される制度です。

免責許可決定が確定すると、原則として破産手続開始時に存在していた債務の支払い責任がなくなります。

免責不許可事由とは、この免責を認めるべきではないとされる一定の事情をいいます。

破産法2521項に列挙されており、該当する事情がある場合、裁判所は原則として免責を許可しない旨が定められています。

免責不許可事由の有無は、自己破産手続で大きな論点になります。

代表的な免責不許可事由

破産法2521項のうち、実務で問題になりやすい事由を順に確認していきます。

浪費や賭博による著しい財産の減少

パチンコ、競馬、FX、仮想通貨取引などに多額の資金をつぎ込み、財産を著しく減少させた場合が該当します。

ブランド品の大量購入や、飲食店での多額の出費なども、浪費として扱われることがあります。

特定の債権者への偏った弁済(偏頗弁済)

複数の債権者がいるなかで、親族・知人・特定の金融業者に対してのみ返済を行った場合が該当します。

破産手続には債権者平等の原則があるため、一部の債権者だけを優先した行為は問題視されます。

財産の隠匿・名義変更

預金を親族名義に移す、財産を安値で譲渡する、不動産の名義を第三者に変更するといった行為が含まれます。

破産管財人や債権者から財産を見えにくくする目的で行われた行為は、免責不許可事由として重く扱われます。

帳簿の偽造や虚偽の債権者名簿の提出

業務や財産状況に関する帳簿を偽造した場合や、裁判所に提出する債権者名簿に意図的に一部の債権者を記載しなかった場合が該当します。

詐術による信用取引

破産手続開始の申立て前1年以内に、返済の見込みがないことを隠して借入れや商品購入を行った場合が該当します。

収入や勤務先を偽って消費者金融から借入れをしたケースが典型です。

この事由は、意図的な虚偽があったかどうかが評価のポイントになります。

前回の免責許可等から7年以内の再申立

過去に免責許可決定を受けてから7年を経過していない場合、新たに免責を求めることが制限されます。

給与所得者等再生で再生計画認可決定を受けてから7年以内の場合や、ハードシップ免責の決定から7年以内の場合も同様です。

小規模個人再生で通常どおり再生計画認可を受けた場合は、この制限の対象外です。

裁量免責という救済制度

免責不許可事由がある場合でも、免責が一切認められないわけではありません。

破産法2522項は、裁判所が諸事情を考慮して相当と認めるときに免責を許可できる裁量免責を定めています。

実務では、免責不許可事由があっても裁量免責による救済が検討されるケースは少なくありません。

裁判所は、事由の重大性、反省の状況、生活再建の見込みなどを総合的に判断します。

裁量免責の判断は、一律の基準で機械的に決まるものではありません。

浪費や賭博を背景とする事案であっても、反省の姿勢や家計再建への具体的な行動が見られれば、裁量免責が認められる傾向があります。

個別の事情を丁寧に整理し、裁判所へ示すことが欠かせません。

裁量免責が認められやすくするために大切なこと

裁量免責の判断では、破産手続における債務者の姿勢が強く影響します。

事実を正直に申告する

収入、支出、財産、借入れの経緯について、正確かつ詳細に説明することが基本です。

申告漏れや虚偽の説明があると、裁判所の心証が悪くなり、裁量免責が認められにくくなります。

破産管財人の調査に誠実に協力する

免責不許可事由がある場合は、管財事件として破産管財人が選任されることが一般的です。

管財人の面談や資料提出に誠実に対応する姿勢が、裁量免責の判断で重視されます。

家計改善の取り組みを示す

家計簿の作成、収支の見直し、浪費や賭博の原因となった習慣の改善など、生活再建への具体的な取り組みを示すことが有効です。

まとめ

免責不許可事由に該当する事情があっても、自己破産が一律に認められないわけではありません。

破産法には裁量免責の規定があり、裁判所が諸事情を総合考慮して免責を許可する余地が残されています。

ただし裁量免責を得るためには、誠実な申告と管財人への協力が欠かせません。

ご自身のケースで免責が認められるかどうか不安がある場合は、債務整理に詳しい司法書士にご相談ください。

よく検索されるキーワード

司法書士紹介

舟木 浩

代表司法書士舟木 浩Funaki Hiroshi

東京司法書士会所属

簡裁訴訟代理等関係業務認定第812079号

経歴
大阪府出身
平成20年10月司法書士試験合格
平成21年3月司法書士登録
平成21年9月認定司法書士登録
メッセージ

ご相談は人それぞれ、気になる点が違うもの。

疑問が解消すれば気分も変わります。

ご相談者様と同じ目標を掲げ、迅速に解決を図れるよう、お悩みの根本部分にアプローチした回答を心掛けています。

ご依頼に最良の結果でお応えできるよう、日々研鑽してまいります。

事務所概要

事務所名 司法書士事務所ユナイテッドフロント
代表者名 舟木 浩(ふなき ひろし)
所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-14-15 タウンウエストビル4階
電話番号・FAX番号 TEL:03-5909-0181 FAX:03-5909-0182
対応時間

平日/9:00~19:00

土祝/10:00~19:00

※ご予約があれば時間外対応させていただきます。

※日曜日は事前予約をいただいたお客様のみのご対応とさせていただいております。