任意整理後に支払いが遅れたらどうなる？対処法も併せて解説

任意整理は、借金の負担を軽くするために行う法的な手続きです。

その後、うっかり支払いが遅れてしまったり、事情があって払えなかったりするケースもあるかもしれません。

今回は、任意整理後に支払いが遅れた場合に起こり得るリスクとその対処法を解説します。

任意整理後の支払いが遅れた場合のリスク

任意整理後の支払いが遅れた場合のリスクは、以下の3つです。

• 和解契約違反とみなされる
• 財産が差し押さえられる
• 信用情報に影響する

それぞれ確認していきましょう。

和解契約違反とみなされる

任意整理では、債権者と新しい返済条件で合意する和解契約書を交わします。

支払いが遅れると、その契約に違反したことになり、債権者から一括請求される可能性があります。

「1回遅延のみ」の場合、基本的に督促状の送付などの対応になり、すぐに一括請求されるわけではありません。

しかし2回以上の遅延や長期滞納は、重大な契約違反と判断されやすいため注意してください。

財産が差し押さえられる

任意整理をすると、基本的にお金を借りられないため、他の方法で工面しなければなりません。

払えないからといって一括請求を放置すると、法的措置に踏み切られ、裁判所の判決を通じて財産を差し押さえられる可能性があります。

督促状の無視は厳禁です。

信用情報に影響する

任意整理を行うと、信用情報（ブラックリスト）に5年ほど登録されます。

そこに加えて、返済遅延の情報が加わると、将来的なローン・クレジット利用においてさらに不利になります。

支払いが遅れたときの対処法

支払いが遅れたときの対応は、以下の3つです。

• 債権者に相談する
• 分割再交渉の可能性を探る
• 法的整理（個人再生・自己破産）を検討する

それぞれ確認していきましょう。

債権者に相談する

もっとも重要なのは、遅れる前に連絡することです。

「○日までに払えない」「今月は一部しか払えない」と正直に相談すれば、一時的な猶予や分割変更の提案を受けられる場合もあります。

分割再交渉の可能性を探る

返済が難しい事情（失職・病気・災害など）があれば、債権者と再度交渉して返済計画を見直せる可能性があります。

ただし、一度和解した条件を変更する場合は、慎重な対応が必要です。

法的整理（個人再生・自己破産）を検討する

任意整理の返済がどうしても続けられない場合、他の債務整理手段（個人再生や自己破産）への切り替えを検討します。

• 個人再生：安定収入があれば借金を大幅に減額できる
• 自己破産：原則すべての借金が免除されるが、一定の財産は処分される

任意整理からの切り替えを考えている場合は、早めに専門家に相談するとよいでしょう。

まとめ

任意整理は、借金の返済を立て直すための手段ですが、支払いが遅れると一括請求や財産の差し押さえといったリスクがあります。

ただし遅れる前に連絡して事情を説明したり、再交渉や法的整理を検討したりすれば、最悪の事態を避けられる可能性は十分にあります。

書類作成などで不安があれば、司法書士などの専門家に相談してください。